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Still life & Product Photography

ガラス入りの額縁を正面から写り込み無しで撮影するには? 額縁の撮影

   

額縁

 

以前、ガラスの入った額縁を正面から写真に撮るにはどうしたらいいのかという相談をうけたことがありました。

正面から額を撮ろうとすると、どうしてもカメラや背景が写り込んでしまうとの事でした。

そこで今回は額縁を実際に撮りながら、額縁の撮り方をご紹介したいと思います。

額縁はガラスが入っていますので、正面から普通に撮ると撮影している人やカメラがガラスにに写り込んでしまいます。

額縁の中の絵や写真が明るい色のものであったりするときにはそれほど目立たないこともありますが、暗いトーンの絵や写真の場合は写り込みがかなり目立ちます。

写り込まないように額の中心からカメラをずらして撮れば写り込みは回避できるのですが、中心から外れると額縁に少しパースがついて歪んでみえてしまいます。

そのようなわけでできれば真正面から撮りたいところです。

 

解決策その1・ガラスを外す

もし、額縁のガラスが取り外せるもので、取り外しても特に問題がない場合には取り外して撮影してしまえば、簡単にガラス面の写り込みが回避できます。

しかし、額の中の絵や写真そのものが光沢のあるものだったりすると、ガラスを外しても、光沢のある絵や写真自体に写り込みができてしまうことがあります。

また様々な理由からそう簡単にガラスを取り外す事ができないこともあります。

 

解決策その2・ライティングで写り込みをなくす

ライティングで写り込みを排除してしまえばガラスを外す必要もありません。

 

準備するもの

商品周り

額縁

白やグレーのボード(壁に直接取り付けても良いです)

フック

テグス

など

ライト周り

ストロボ1灯

スタンド2本

ディフューザーアーム1本

ディフューザー1100mm 1本

レフ板

黒ボード

黒紙

など

カメラ周り

カメラ

三脚

露出計

水準器

グレーチャート、カラーチャート

シンクロコード

パソコン

など

撮影

1・額縁をセットする

白やグレーのボードに額縁をフックなどを使って取り付けます。

今回はテグスを使って上から吊り下げるようにしています。

額縁をつけたボードは撮影しやすい高さに垂直に立てます。

ボードを固定している棒は写真撮影用のオートポールというつっぱり棒です。

そのつっぱり棒にエレンという大型のクリップでボードを挟んで固定しています。

2・カメラの準備

三脚などにつけたカメラを額縁に対して正対するように構えます。

画像を確認するためのパソコンをカメラ近くに準備します。

今回は85mmのレンズを使います。

額縁とカメラの両方の水準が取れていないと、額が歪んで写ってしまうので注意します。

額縁のセット

3・そのまま撮影した場合

今回は比較のために何もライティングせずその場の光だけで撮影をしてみます。

写り込み例

カメラとその背景が額のガラス面に写り込んでしまっています。

これではさすがに問題があります。

そこで次に、カメラ背景の窓のカーテンを閉めて撮ってみます。

写り込み有り

だいぶわかるようになりましたが、まだカメラやカーテンのドレープがそのまま写り込んでしまっています。

そこで次にストロボを使ってライティングをしていきます。

ここで疑問がでてきます。なぜストロボなのか?

それは、ストロボの場合、シャッタースピードを1/125と比較的早めの速度にしながら、F8や11など絞り込んだ露出で撮影できる点にあります。

今回の撮影場所の自然光による露出ではISO100の時、シャッタースピード1/2、絞りF8でしたので、同じF8でもシャッタースピードで6段分絞り込んで撮影できることになります。

これによって、余計な背景の写り込みをなくすことができます。

4・ライトの準備

額縁を吊るしたボードの左側にスタンドとディフューザーアームなどで1100mmのディフューザーを垂らします。

スタンドとディフューザーアームの代わりにセンチュリースタンドなどを使っても構いません。

1100mmのディフューザー越しにストロボを1灯、額に向けて当てます。

今回は入れませんでしたが、影が強すぎるようであれば、レフなどを右や下側から入れます。

もし、影をできるだけ消したい場合には、ライトを逆側にも入れて2灯にします。

額縁のセット

ライトをセットして、まずは撮ってみましょう。

写り込み少し

光以外は特になにも変えていませんが、さきほどの部屋の明かりそのままで撮ってものと比べても、かなり写り込みがなくなっています。

特に、カメラの背景のカーテンはみえなくなりました。

しかし、よく見るとまだ雲台と三脚の一部は写り込んでいます。

これは、ストロボのライトがカメラ側にも漏れているのが原因です。

特に雲台や三脚のシルバー部分は反射率が高いために少しの光でも強く光るので写り込んでしまいます。

それを防ぐため、次にライトの漏れをカットします。

具体的にはカメラとストロボの間に黒ボードを一枚いれて光をカットします。

またカメラにもレンズ穴を開けた、黒紙を入れて反射率の高い雲台や三脚のシルバー部分を隠してしまいます。

レンズ前黒紙

この状態で撮ると、

写り込み無し

これで写り込みはなくなりました。

 

デジタルカメラのラティチュードはおよそ5EV程度と言われています。

仮に適正露出が真ん中とすれば、暗い側に2.5EV以上の露出差があれば、見えていても写真には映らず黒く潰れた状態になります。

黒く潰れたものは写っていないのと同じですから、写り込みとはなりません。

今回の場合には絞りをF11に設定してあるので、カメラや背景がF4程度まで光を抑えれば写り込まなくなります。

しかし、ガラスは鏡ほどではないにせよ、反射率がかなり高いので、少しでも明るいものは写り込みます。

今回の場合、雲台と三脚のシルバー部分はやはり反射率が高いのでディフューザーや白の壁などによって光ってしまい、写り込んでしまいました。

そこでここだけは、黒の紙で隠して額から見えなくして対処しています。

ただし、ガラス面自体が汚れていると、どんなに反射を抑えたライティングをしても汚れが写ってしまって台無しですので、撮影前にはガラス面の掃除を十分にしておきましょう。

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フォトグラファー 商品撮影専門の制作会社を経て、フリーランスになる。 最終的な仕上がりまで考えながら撮影をしたいので、撮影から画像処理まですべてを自分で行うことが多い。 ライティングや仕掛けを考えるのが好き。

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