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Still life & Product Photography

多灯ライティング・ストロボ2灯で撮る料理の写真

      2017/10/17

こんにちは、フォトグラファーの根本です。

前回は、料理の写真をライト1灯で撮影する方法をご紹介しました。

ライト1灯だけでも十分にキレイな料理写真を撮ることは可能ですが、作れるシチュエーションに限りがあります。

そこで今回はライトを2灯使って撮影する方法をご紹介します。

1灯増えるだけで表現の幅がグンと広がり、作れるシチュエーションも多くなります。

ただし、ライトが増えるとそれぞれの役割をしっかり割り当ててバランスをとる必要がでてきます。

また、数が増えるとお互いに干渉しやすくなり混乱しやすくなってきます。

しかし、今回ご紹介するのはシンプルな2灯ライティングです。

ライティングの練習には丁度良いと思います。

それでは早速始めていきましょう!

完成写真

いきなりですが、まずは完成写真を見てください。

2tou_finish

 

前回よりもかなり明るい雰囲気の写真になっています。

ハンバーグソースのハイライトも大きく、明るくなっています。

フォークやナイフなども明るくキレイに光っています。

お皿にも光の反射光が入っていて、素材感がわかりやすくなっています。

これらはすべて2灯目のライトによるものです。

今回はこの写真を撮りながら説明していきたいと思います。

スタイリング

前回と同じ天板にストライプのクロスを敷いて背景にします。

クロスで注意したいのは、傷、汚れ、シワです。

シワのある状態のクロス

シワのある状態のクロス

 

シワを伸ばしたクロス

シワを伸ばしたクロス

 

シワは伸ばすことができますが、傷と汚れはすぐには直せません。

小さなものであれば後から消すこともできますが、できるだけ傷や汚れの無いものを使います。

今回のシワはアイロンでキレイに伸ばしますが、料理や雰囲気などによっては自然なシワを生かして撮影することもあります。参考(窓からの自然光で撮る商品写真・ケーキの撮影)

自然なシワといっても畳ジワ、折りジワなどはあまり美しくないので伸ばします。

今回のクロスはボーダー柄なので直線があまり曲がらないようにしたいと思います。

ボーダーなどは、あえて作った大きなうねりで曲がるよりも伸ばしきれなかった小さなうねりで曲がる方が見た目が気持ち悪いので注意します。

今回も少しのうねりやシワが残ってたのでクロスの端をテープで貼ってしっかりと伸ばしています。

クロスが用意できたら、用意した皿やカトラリーなどを仮置きしてみます。

この時にはまだ料理は盛り付けません。

カメラのアングルを決める

仮置きしたらカメラのアングルを決めてしまいます。

クロスのストライプをキレイに伸ばしても、カメラ位置が悪いと曲がって見えてしまうので注意します。

クロス、皿、その他の小道具との位置関係が丁度良いアングルを探します。

この時のアングルも仮なので後で微調整をします。

1灯ライティング

仮のアングルが決まったらライティングに移ります。

ライティングを始める前に仮置きした食器に料理を盛り付けます。

本番用の料理をいきなり盛り付けてもかまいませんが、その場合はここからは時間をあまりとらないように急ぎます。

時間がたつと、鮮度がわるくなったり、萎れたり、乾いたりと料理にとっていいことがありません。

時間がかかるようであれば本番用に別の料理を用意してライティングが完成してから再度盛り付けます。

今回はソースとクレソンだけを本番直前に盛り付けます。

料理は前回と同じハンバーグなので、メインのライトは前回と同じ左のライトです。

左サイドからトレーシングペーパー越しに当てます。

この状態で撮影するとこのようになります。↓

1tou_2

 

このままでも料理はキレイです。あとはレフなどで少しシャドーを起こすだけでも良いかもしれません。

ただし、隣のシルバーのフォークとナイフが真っ黒です。

また、前回と違って明るい背景を使っているので、できれば全体の雰囲気も前回よりも明るくしたいところです。

2灯目を使う

これらの問題を解決するために、もう1灯使っていきます。

もう1灯のライトはカメラから見て料理の反対側、テーブルの奥に入れます。

このライトもトレーシングペーパーを使ってディフューズします。

2灯ライトセット写真

2灯ライトセット写真

 

セット図4

セット図

 

 

このライトによってフォーク、ナイフの明るさやハンバーグソースのハイライトの明るさや大きさなどが作られますが、ライトの位置によって効果が大きく変わるので、高さや距離など慎重に決めていきます。

本番撮影

ライトの位置が決まったら、ソースとクレソンを添えてスタイリング全体の手直しや微調整をします。

同時に細かなライトの位置の調整もします。

ここからは、なるべく時間をかけずに手早く撮影を済ませます。

 

2tou_finish

 

ソース、トマト、皿の表面にもハイライトが入って明るい感じの写真になりました。先ほどまで真っ黒だった、フォークとナイフにも光が入りました。その下に敷いているナプキンにも適度の陰影がついて立体感がでています。クロスの奥が明るく、ボケているので奥行きが出ています。

 

 

2灯ライティングの注意点

最後に2灯に限らず複数ライトを使う場合い、注意したい点がいくつかあります。

まず、理由が無い限りライトは同じもので統一します。ライトが混在すると色などが変わってしまって補正をしなければならないことがあります。例えば、ストロボと電球は基本的には一緒に使いません。

また、同じストロボでもメーカーや機種の違いでも色は違うので、できれば同じメーカーの同じ機種で揃えます。

次にライトの強さがコントロールできるものを使います。今回の場合も2つのライトは同じ強さではありません。奥のライトに対して左のライトは4倍近い強さになっています。

さらにコントロールできる場合でもできるだけ細かいステップで調整できるものを使います。

そして、色の補正や強さの調整を正確に行うためにはカラーメーターや露出計を使います。

まとめ

ライトは1灯だけでも十分にキレイな写真が撮れますが、2灯、3灯と増えればできることも増えてライティングの幅が広がります。

その反面、ライト同士のバランスや役割をしっかり把握していないと混乱してしまいます。

色や強さ、光の質などをコントロールして自分の思った通りの光が作れるのはとても楽しいものです。

もし、機会があれば是非試して見てください。

では、また!

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フォトグラファー 商品撮影専門の制作会社を経て、フリーランスになる。 最終的な仕上がりまで考えながら撮影をしたいので、撮影から画像処理まですべてを自分で行うことが多い。 ライティングや仕掛けを考えるのが好き。

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