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Still life & Product Photography

カメラの絞りの使い方・ボケをいかした空気感のある写真を撮ってみよう

   

 

クッキー

こんにちは!フォトグラファーの根本です。

いまよりももっと空気感のある優しい雰囲気の写真を撮りたい!

そんな時にはふんわりとやわらかいボケを写真に取り入れるといいかもしれません。

一点だけにピントがきていて、その他の部分はボケている写真は目線を主題となるピントのある部分に引きつける効果もあるので製品写真などでもよく使われます。

ただし最近では、撮影後の写真に画像編集アプリを使ってかなりいい感じのボケを入れることもできます。

しかしその場合、ボケの入り具合や出来具合いはアプリによって左右されてしまうので、できればカメラを使って撮影時にボケを入れたほうが、画像を直接見ながらボケ具合の調節もできるのでオススメです。

でも、どのようにすれば綺麗なボケをいれられるのか?どうすればボケ具合を調整できるのかよく分からないかもしれません。

そこで、今回はカメラで写真にボケを入れるにはどうすればいいのか、そしてその量はどうすれば調整できるのかをご紹介したいと思います。

ボケとピンボケの違い

まずはじめに確認しておきたいことは、ボケとピンボケの違いです。

当然ですが、ボケとピンボケは違います。

ボケはポイントとなる部分のピントは合っていて、その前後のピントが徐々にボケていきますが、ピンボケは画面のどこにもピントが合っていない状態です。

ピンボケというのはピントがずれてしまっている状態です。

しかし、ボケの場合はピントは目的の場所にしっかりとあっています。

ですから、ピントの操作によってボケを作るわけではないのです。

ではどうすれば、ボケを活かした写真になるのでしょうか?

カメラ(レンズ)の絞りを使う

ボケを活かした写真はピンボケ写真のようにピントをずらせばいいわけではありません。

ボケを使うにはカメラのある機能を使う必要があります。

それ機能とは「絞り」です。

カメラには露出を調整する機能として「絞り」と「シャッタースピード」、「ISO感度」が備わっています。この3つを組み合わせによって露出を調整しています。

そのなかで「絞り」は露出調整だけではなく、ピントの深さ(量)を調整する機能を合わせ持っています。

カメラ(レンズ)の絞り

「絞り」という言葉は聞いたことがあっても具体的にどんな機能なのかよく分からない方もいるかもしれませんので、まずは簡単に絞りについてご説明します。

「絞り」はレンズを通してカメラに入ってくる光の量を「絞り穴」のサイズを変えることで、調節する機能です。

レンズの中には下の図のような羽根があり、その羽根の開き具合で光の通り道を広くしたり狭くしたりして、光の量を調整しています。

この機能を絞りといいます。

そして絞りを表すためには数字の頭にFをつけた値を使いますが、これを絞り値(F 値)といいます。

左に行くと絞りの穴が大きくなり、Fから始まる数値は小さくなります。そして、写真は明るくなり、ピントが浅くなります。

反対に右に行くと絞りの穴は小さくなり、F値で始まる数値が大きくなります。そして、写真は暗くなり、ピントが深くなります。

つまり、「絞り」が図の左側の状態になるとボケが大きくなり、右の状態になるとボケが少なくなるわけです。

また、F値はレンズごと(製品ごと)に異なり、それがレンズの性能の違いにもなっています。

 

絞り説明

下の2枚の写真は同じアングル同じライティングを行っていますが、絞り値(F値)が違います。

上の写真が絞りF2.8 で 下の写真が絞りF16 です。

絞り2.8

F2.8

 

絞り16

F16

 

絞り値の違いによって写真のボケ具合が変わるのがわかると思います。

そして、ボケ具合が変わると写真から受ける印象も大分違いますね。

絞りでボケを作る

この絞り、オート露出で撮影をしているとなかなか意識が向きません。スマートフォン標準のカメラアプリではそもそも絞りがいくつかがわかりません。

また、スマートフォンのカメラは絞りが固定になっているものが多く、その場合には絞りを使ってボケを調整することができません。

カメラの絞り値がわからないとボケ具合の調整がむずかしいので、ここでは絞り値が変えられるタイプのカメラを使うということで話を進めます。

まず、ボケを活かした写真を撮りたい時には、カメラの露出は「マニュアル」か「絞り優先オート」にします。

そして、絞りのF値が最も小さい値を選択した状態で露出を合わせ、ピントを被写体のもっともポイントとなる部分に合わせて撮影をします。

撮った画像のボケ具合を確認して、ボケが強すぎるようであれば「絞り値」を少し大きくし、一番良さそうな値を探ります。

始めはどれくらいが良いのかがわらないかもしれませんが、何枚か撮っているうちに絞りとボケの感じがつかめてくると思います。

また、もしお使いのカメラが「被写界深度確認ボタン」のある一眼レフなどであれば直接ボケ具合を確認しながら絞りを調整することもできます。

被写界深度とは

絞りによって変わるボケ具合のことをカメラ用語で「被写界深度」といいます。

被写界深度は単にボケをつくるためだけではなく、逆に深くすることで被写体全体にピンとを合わせてしっかりと見せたい時などにもつかいます。

特に製品写真などではボカさずにしっかりと全体を見せたいことも多いので、絞り値を大きくして被写界深度を深く使うこともよくあります。

絞りを使うときの注意

絞りを使って被写界深度を使った表現を行う際に注意しなければならないことがあります。

それは、カメラの最小絞り、最大絞りの時には画質が落ちることがあるということです。

具体的にどのようなことが起きるのかというと、画像の解像度が下がって画面全体のシャープさがなくなり、ピントが合っているのにピンボケしているように見えたりします。

これは開放絞り時の「収差」や、最小絞時の「回折」といった現象の影響によるものです。(これらの説明はまた別の機会に)

ですから、ボカす場合も、ピントを深く使う場合にも一番限界の絞りではなく、1絞り内側の値を使うようにします。

絞りを使いこなそう!

絞りによるボケ具合によって写真の雰囲気や表現は大きく変わります。

そして、絞りを使いこなすことができれば間違いなく写真の表現力は向上します。

とくにボカシはその効果が判りやすく撮っていて楽しいのでオススメです。

次に写真を撮るときににはこのボケを使うため、少しだけカメラの「絞り」を意識して撮ってみてはいかがでしょうか。

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フォトグラファー 商品撮影専門の制作会社を経て、フリーランスになる。 最終的な仕上がりまで考えながら撮影をしたいので、撮影から画像処理まですべてを自分で行うことが多い。 ライティングや仕掛けを考えるのが好き。

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